今回は論文を書くときの注意点を1つ解説します。
あなたが昇進試験の論文を書くとき「もちろん(勿論)」という言葉を使っていませんか? もし使っていたら、その文章を消してください。
論文に「もちろん(勿論)」は使ってはいけません。なぜなら「もちろんに続く文章は、あなたの主張や意見を支える理由ではないから」です。
あなたが昇進試験の論文を書くとき「もちろん(勿論)」という言葉を使っていませんか? もし使っていたら、その文章を消してください。
論文に「もちろん(勿論)」は使ってはいけません。なぜなら「もちろんに続く文章は、あなたの主張や意見を支える理由ではないから」です。
例えば、以下のようなダメな文章です。
『私は品質向上のために、「設計者への教育」が大切だと考える。もちろん、品質向上のためには「レビューをしっかりすることが必要だ」という考えもある。しかし、まず設計者が品質の良い設計が出来るようにならなければ、たくさんレビューをしても品質が良くならない。つまり、品質向上のために「設計者への教育」が必要である。』
上の文章の何がダメか分かりますね?設計者の教育が必要と書くのは良いですが、その理由が書かれていません。自分とは異なる意見を潰しても、自分の意見を支えていることにはなりません。読み手(採点者)は、レビューしても品質が良くならないのは分かったけど「なぜ教育が必要なの?」と疑問に思うはずです。
もしかしたら書き手は「わざわざ理由を書かなくても読み手(採点者)に理解されることを期待している」のかもしれません。しかし、上記の例文は、自分の意見(主張)に対する理由(なぜ)がまったく書かれていないので、論理的ではない悪い文章だと読み手(採点者)は採点します。
また、書き手は「自分の意見とは異なる意見についても述べることで、広い視野を持っているとアピールしたい」のかもしれません。しかし、論文は自分の意見を支えることに集中してください。そうしないと、読み手に「意見の根拠が薄い論文」だと捉えられる可能性があります。
「勿」という漢字は、禁止や否定を意味します。「勿論」という言葉は「論じる必要がない」という意味です。論じる必要がないなら、論文に書く必要がないと思いませんか?
また、同じ理由で、「明らかに」や「述べるまでもないが」なども使わない方が良いです。
自分の意見を述べた後は「もちろん」ではなく、「なぜなら」を使いましょう。
例えば以下のような文章が良いと思います。
述べていることは「もちろん」を使ったときとほぼ同じですが、「なぜなら」を使った方が読み手(採点者)は論理的に感じるはずです。